自宅で3Dプリンターを趣味で始める前に知っておきたい基礎知識、種類、メリット、デメリット

by | Feb 11, 2023 | 3D プリンター | 1 comment

何か新しいことを始めてみたい、家で始められる面白い趣味を始たい、そんな理由から3Dプリンターに興味を持った貴方も少なくないのではないでしょうか。

家庭用3Dプリンターは、2000年代後半から普及し始はじめて、特に2010年代に入って急速に普及し始めた比較的新しい趣味です。

ものづくりが好きな人にとっては、革命的な道具と言えるでしょう。

なぜならば、3Dプリンターが普及する前は、プラスチックのパーツやフィギアを作るためには、工場で金型を作り、プラスチックを流し込んで物を作る方法か、CNCマシンでプラスチックからパーツなどを削り出す方法にかありませんでした。

個人でこのようなことをやるのは、ほぼ不可能だったからです。

しかし、ソフトウェアーや、製造技術の進歩で家庭用の3Dプリンタを誰でも購入できるようになりました。

今は、3Dプリンターが誰でも入手できる時代が来てから10年以上てっています。

初期の製品と比べて、家庭用3Dプリンターは、いろいろな点で、安定してきていると言えるでしょう。
もしかしたら、今が、3Dプリンターを始める丁度良い時期なのかもしれません。

工作機械メーカーで10年以上現役で働き、自宅でも工作機械で工作を楽しんでいる私が、経験に基づくいた、3Dプリンターを始める前に知っておくべきことを説明します。

家庭用の3Dプリンタは、非常に魅力的なツールですがデメリットも当然あります。
この記事を読むと、家庭用3Dプリンタが、貴方にとっての趣味として適切かどうかがわかります。

3Dプリンタとは

3Dプリンタとは、立体物を造形するための機器です。
私が、初めて購入した自宅で使える工作機械も3Dプリンターでした。

私が工作生活を始める、きっかけとなった工作機械です。
CADなどのソフトで作成した3Dデータをもとに、材料を層状に積み重ねて、一層ずつ加工して立体物を造形します

趣味で使うことにフォーカスすると、自分でオリジナルのジュエリーやプラモデル、工業製品などを造形することができます。

私は、自分でCNCマシンのパーツを作ったり、娘と無料3Dモデルをダウンロードしてキャラクターを印刷したりして楽しんでいます。

3Dプリンタは、自分で造形することで、デザインの自由度が高くなるだけでなく、小ロット生産や個別生産など、様々な用途で活用されています。

3Dプリンタの種類と特徴

  • FDM方式の特徴

FDM(Fused Deposition Modeling)方式は、3Dプリンタの中でも比較的安価で、一般的に販売されている機種の多くがFDM方式を採用しています

私が、持っている3Dプリンターもこのタイプです。
私は、3Dプリンターで機械のパーツを作ることを趣味にしているのでこのタイプが適しています。
FDM方式の特徴としては、以下のような点が挙げられます。

  1. 材料の種類が豊富で、手軽に入手できます。
    FDM方式の3Dプリンタでは、PLA、ABSなどのフィラメントが使用されます。
    これらのフィラメントは、一般的な専門店や通販サイトでも手軽に入手することができます。
  2. 精度がやや低い。
    FDM方式は、熱を加えたフィラメントを積層することで造形を行うため、積層面に段差が生じることがあります。そのため、比較的精度が低くなることがあります。
  3. サイズが大きいモデルでも製造可能
    FDM方式は、立体物を積層して造形するため、造形面積が大きくても容易に造形できる特徴があります。
  4. 低コストで入手できる
    FDM方式は、その製造コストが比較的低いため、低価格で入手できる機種が多く、趣味用途には最適な方式の一つです。

もっと詳しくFDM方式を知りたい人は下記記事を見て下さい。

[clink url=https://www.acncf.site/type-of-3d-printer-fdm/]
  • SLA方式の特徴

SLA(Stereolithography)方式は、液体の光硬化樹脂をレーザーやUV光で硬化させることで、立体物を造形する3Dプリンタ方式の一つです。以下に、SLA方式の特徴をいくつか紹介します。

  1. 高精度で美しい表面仕上げ:SLA方式は、レーザーやUV光を使用するため、非常に高い精度で造形することができます。また、造形面に段差が少ないため、非常に美しい表面仕上げを実現できます。
  2. 樹脂の種類が豊富で、高品質な材料が使える:SLA方式では、樹脂を使用するため、FDM方式に比べて材料の種類が非常に豊富です。また、高品質な樹脂を使用することで、非常に高い剛性や強度を持つ立体物を造形できます。
  3. 部品の製造時間が長い:SLA方式は、液体樹脂を光で硬化させるため、造形に時間がかかります。大きな立体物を造形する場合には、数時間以上かかることもあります。
  4. 機械本体や材料が比較的高価:SLA方式は、非常に高い精度で造形できることから、機械本体や材料の価格が比較的高めです。また、使用後には樹脂の残りを処理する必要があるため、後処理にも手間と費用がかかることがあります。
  5. オーバーハングに弱い:SLA方式では、液体樹脂を光で硬化させるため、オーバーハング部分には光が届きにくく、綺麗に造形することが難しい場合があります。
  • SLS方式の特徴

SLS(Selective Laser Sintering)方式は、ポリマー、金属、セラミックなどの粉末をレーザーで照射して、粉末を固めることで造形する方法です。

このタイプは、業務用で使用する物で趣味のために個人で所有することは現実的ではないでしょう。

この方式の特徴は、非常に複雑な形状を作成できることと、樹脂などの熱可塑性材料と比べて強度が高いという点です。
また、支持材が必要ないため、後処理が簡単で、高い表面精度を実現できます。

一方で、SLS方式はFDMやSLA方式よりも高価で、材料の種類が限られているため、選択肢が少ないことが欠点として挙げられます。

また、使用中に発生する熱により、粉末が固まってしまうことがあるため、適切な温度管理が必要です。

3Dプリンタのメリット

  • 自分だけのオリジナル製品を作成できる
    3Dプリンタを使えば、自分で設計したオリジナルの製品を簡単に作成することができます。自分だけのアイデアを形にすることができ、大量生産の必要がないため、限られた需要に対して自分だけが製品を所有できるメリットがあります。
  • カスタマイズされた製品を簡単に作成できる
    3Dプリンタを使うことで、カスタマイズされた製品を簡単に作成することができます。自分が欲しいと思う機能やデザインを、手軽に自分の好みに合わせてカスタマイズすることができます。
  • プリント可能なファイルが多数オンラインで入手できる
    3Dプリンタで作成することができる製品について、プリント可能なファイルが多数オンラインで入手できます。これによって、自分で製品のデザインや設計をする必要がなく、簡単に欲しい製品を入手することができます。
  • 同じものを何度でも作れる
    3Dプリンタを使って製品を作成することで、同じものを何度でも作ることができます。破損した部品の修理や、必要に応じて大量生産することができるため、製品の再利用性が高くなります。

3Dプリンタのデメリット

  • 材料の選択が限られる
    3Dプリンタで使用できる材料は、プラスチックなどの一部に限られます。そのため、金属やガラスなどのような材料を使用することはできず、限られた用途にしか使用できない場合があります。
  • 制作に時間がかかる
    3Dプリンタで製品を作成する場合、制作に時間がかかることがあります。
  • ファイルの設計や修正にスキルや知識が必要
    3Dプリンタはファイルをデータ化し、そのまま物理的なオブジェクトを作り出すことができます。しかし、その製造にはスキルや知識が必要であり、特にファイルの設計や修正にはそれらが欠かせません。

    ファイル作成に慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、無料の3Dモデリングソフトウェアがあるので、練習すれば誰でも上達することができます。

    また、オンラインのコミュニティやチュートリアルなども豊富にありますので、積極的に活用しましょう。

まとめ

この記事では、3Dプリンターに興味がある初心者向けに、3Dプリンターの種類や機能、選び方について解説しました。

  • 3Dプリンターは自分でオリジナル製品を作れる面白さがあり、趣味に最適です。
  • 3DプリンターにはFDM、SLA、SLSの3種類があり、それぞれ特徴があります。
  • 初心者には、使いやすくて安価なFDM方式の3Dプリンターがおすすめです。
  • 3Dプリンターを選ぶ際は、出力サイズ、精度、速度、材料、価格などを比較し、自分の用途に合った機種を選ぶようにしましょう。
  • また、3Dプリンターを使用する際には、操作方法やデータ作成に必要なスキルを習得する必要があります。
  • 初心者でも安心して使用できる、使いやすくてコストパフォーマンスの高い機種を選び、正しい操作方法を学ぶことが大切です。